乾癬とはどのような病気なのか
乾癬は皮膚病の一種です。
頭・肘・膝などに赤い斑点が生じ、さらに同じ場所に白いうろこ状のかさぶたができます。
ウイルス性の皮膚病とは異なり伝染性はなく、身体の他の部分に悪影響を及ぼすということも、今のところ確認されていません。
白いうろこ状のかさぶたが、よほど厚くならなければ、痛みも痒みもほとんどありません。仮に痒みが出たとしても、アトピー性皮膚炎のように長時間続くことはなく、比較的短時間におさまることが多いです。
自覚症状がきわめて低く、生命に関わる病気でもないので、軽い皮膚病と捉えられがちです。
乾癬の主な症状
頭や額から症状が始まりやすく、多量のフケ・かゆみを伴います。
その症状は爪にも現れる場合があります。
皮膚の表面が盛り上がり、時々かゆみを感じることがあります。
皮膚がカサカサになり、赤みを帯びることがあります。
症状が進行すると人目が気になり積極性を失うので、精神的な重圧が大きくなる場合があります。
慢性的な睡眠不足・食欲不振・下痢に悩む人も多く見られます。
症状だけを挙げると、さほど困った病気には思えないかもしれません。そのため、医学界においても、乾癬の研究を軽視する傾向があったようです。
しかし、乾癬を一度発病させると、大変な苦痛を伴うことになります。
生命に危険がありませんし、これといって目立った痛みや痒みはそれほどありませんが、乾癬の本当の恐ろしさは、別のところにあります。
赤い斑点や白いうろこ状のかさぶたは全身、特に頭・肘・膝など人の目に触れる場所に現れるので、発病した人の社会生活を大きく傷つけることになります。
乾癬を人に見られるのが嫌で、気軽に外出することができなくなってしまいます。
そうは言っても、自宅にいるだけでは生活は成り立ちません。仕方なく外出するにしても、夏の暑い時期でさえ、患部を隠すために衣服で覆わなければなりません。
温泉やプールにも入りにくいですし、周囲からも敬遠されます。
「かんせん」という単語自体が「感染」を、「癬」の字が「白癬菌」を連想させることからか、実際には感染することはないのに、誤解を招き近づくことさえ嫌がられたりします。
男性の場合、外陰部に乾癬ができることもあるので、性病と勘違いされることもあります。
しかも乾癬はなかなか治りにくい病気で、すぐに慢性化し、発病した人を長い間苦しめることになります。
